子どもがスポーツを習っている、もしくはこれから習わせたいと思っている親御さんは「将来、様々なことに役立つ経験ができる」、「プロ選手になって欲しい」、「子どもが純粋にそのスポーツが好き」等の理由で習わせたり検討しているという方も多いと思います。
私自身も子どもには何かスポーツを習わせたいと思っており、興味もあったので様々な関連書籍を読んだのですが、今まで自分にはなかった視点や意見によって考えを改めさせられた3冊を紹介させていただきます。
自主練もドリブル塾もないスペインで「上手い選手」が育つワケ
サッカージャーナリストの小澤 一郎氏が書かれた書籍で、サッカーにおけるスペインと日本の育成年代(だいたい小学生から大学生頃まで)の指導方法や指導者の関わり方、カテゴリー構造の違いを丁寧にわかりやすく解説されており、サッカー以外のスポーツにも通じるものがあると感じました。
個人的に子供へサッカーを習ってほしくて手に取ったのですが、日本の育成年代で起こっている様々な問題が挙げてられており、安易に近所のチームに入れていいものか、(自分たちにとって)いいチームに入れたとして親がどこまでサポートできるのか、一旦立ち止まって考えるきっかけとなりました。また、著者とプロの下部組織で育成に携わったアルベル・プッチ・オルトネダ氏や冨樫剛一氏との対談を始め、随所で日本とスペインの文化と価値観の違いを表す描写があることから、ちょっとしたスペイン旅行を味わえました。
他にもJクラブのセレクションや地域の少年団の実態について書かれた部分がとても興味深い内容であり、子どもをどこのチームに入れようか考えた時にとても参考になりました。そして、ビジネスや自己啓発書に書いてありそうな内容がサッカーに置き換えてわかりやすく説明されており、サッカー好きで読書習慣がなかなか身につかないという方に特におすすめしたい一冊でした。
「スポーツ万能」な子どもの育て方
いわきFCアカデミーアドバイザー等複数の肩書を持つ、小俣 よしのぶ氏の著書で、以前の記事でも少しだけ紹介させていただいた本です。
特定のスポーツの話に収まらず、子どもを取り巻く環境の変化や問題、身体や技術の成長に関すること、子どもをスポーツ万能にするための方法、スポーツ界全体の問題や現状にどう向き合っていくべきかを解説しています。
本書を読むまでは「プロを目指すような選手は幼いうちにその競技一本を頑張っている」と思っておりましたが、現状(2025年現在)まだ小学校にも入学していない我が子にとって本当に大事なことは「遊びの中で様々な動きを経験させること」が大事であると気付かされました。
そして個人的には、「ある部分の動きを修正するために別のところに意識を向けさせることで本当に修正したいところを直す方法がある」、「「クラムジー」と呼ばれる身長が急激に伸びる頃に、運動が苦手になったり、今までできていた動きやスキルが下手になったり、身体が硬くなる現象が起こる時期がある」といった部分を読み、スランプの抜け出し方や向き合い方・考え方が変わり、「焦らなくてもいいんだ」と安心感と納得感が得られました。
子どもがスポーツをするときにこれだけは知っておきたい10の本質
スポーツジャーナリストの永井 洋一氏が書かれた書籍で、冒頭から
「親子揃ってスポーツにのめり込む前に、スポーツは「正」の効果だけに満ちた完全無欠のものではなく、常に「負」の部分も一体になっている「取扱注意」の活動であるということを知っておく必要があります。」
と書かれている通り、スポーツの役割やメリットのみならず、デメリットや副作用についても解説した書籍となっております。
特に、筆者が実際に目にした「勝利・結果」という麻薬に冒された、複数の強豪チームの指導者による横柄な振る舞いの実例が書かれており、そして保護者の方でも勝利至上主義の考えを持つ人がいて、「強ければ何をやってもいい」、「下手な子は切り捨てるべき」といった日頃の態度を子ども達が目にすることで自分より弱かったり実力で劣っていたりする子に対して同じような態度を取ってもいいと誤った学習をしてしまうことが(別の章で書かれている)いじめの根本原因になりうることを指摘していると感じる部分があったため、(意識してそのようなことをした覚えはなく、そういった思想は全くないのですが)父親としてそのような背中を見せないよう、十分気を付けなければならないと強く感じました。
そして、子どもをプロスポーツ選手にさせたり、競技で活躍してほしいと願う親の多くがその背景には自分の願望、意地、プライドを満たすために我が子へ多くの要求していることを見抜き、「子どもは親の従属物ではない」と一喝されていた部分は正直思い当たる節があったため、耳が痛かったです。とはいえやはり、スポーツに夢中になってほしいという思いは変わらないので、これからもアプローチは続けていきたいです。
まとめ
プロになる選手や上手い選手に対し「小さい頃からそのスポーツばかりを行っている」、「技術が高い」、「毎日長時間練習している」、「持って生まれたものでここまで来れている」といった思い込みがあったのですが、間違いでは無いにせよ、もっと本質的なことがあると気付かされました。
また、教育やビジネスに通づる内容が多く、人生そのものだと強く感じました。
同じような志のある方は読んでみることをお勧めいたします。

